シナリオの書き方〜アイデア編

CYNTHIA THE MISSION 1 (ZERO-SUM COMICS)
結構色々と思うところがあって、それに関して書きなぐる場所が欲しかったり。
そんなわけでBlogを始めてみました。
三日坊主になりそうな予感はひしひしとするけど、TRPGの事を中心に書いていくつもりです。
と、それだけで終わるのは寂しいので早速書きなぐりを始めましょう。


一時期、阿呆みたいな量のGMをやらされていたことがありました。
日曜日から次の日曜日まで八日間でプレイしたシナリオが五つとか。
そんな時に聞かれたのが「なんでそんなにシナリオが思いつくんだ」ということ。


そんなわけで、自分にとってのシナリオ構築法を語ってみようかと。
本日はアイデア編ということで、シナリオの基となるアイデアを出す方法から。


インプットを増やさずにアウトプットが続けられるわけがない…というのは今働いてる会社の社長に以前頂いたアドヴァイスなのですが。
それはまったくその通りで、ネタが思いつく時って大抵は何かのシーンに感動した時だったりします。
とはいえ、無闇に本を読み漁る、映画を見続ける、とそれだけでは「インプット」にはなりません。
ではどうやって読み取り、それをシナリオに落とし込むか。
それは「面白さの抽象化」をすることです。


たとえば、以前私が製作したシナリオ「夜色atrocity」では、「シンシア ザ ミッション(以下シンシア)」という格闘漫画の影響で作られました。
シンシアのエピソードの中に「天才であるが故に常人では理解し得ない価値観で殺人を犯す悪人」というキャラクターが存在します。
彼女は「行為には目的が伴って初めて意味を為す」という仮定の元「目的を持たない行為は即ち無価値であり、無価値であるということは罰する価値もないはずである」という論理を立証するために「目的を持たない殺戮」を開始し、主人公(厳密には違う)によって止められます。
私はそのエピソードを読み、「理解し得ない思考を持って悪意を行使するモノの気持ち悪さ」を面白いと感じました。
そこで生まれたのが「凶ツ牙」というキャラクターです。彼はオーヴァードとしても圧倒的な力を持ち、一般人を玩具のように扱って殺していきます。
シンシアの登場人物と凶ツ牙では性別も年齢も外見も目的も、キャラクターはまるで違います。
しかし「理解しがたい思考回路を持ち、簡単に一般人を殺せる力を持っている」という点では一致しています。
そして、「悪意の行使」を印象付けるために、PC1の幼馴染が犠牲になる、というイベントを用意しました。
理解できない事態に巻き込まれて大切な物を失ってしまう…この面白さは各種ホラー作品にも共通するものがありますね。


このように「何が面白かったのか」を自分なりに「抽象化」して、それにフレーバーで肉付けをして行くことでシナリオが作られるわけです。