シナリオの書き方〜組み立て編

弓と笛と放浪者たち―ゲヘナ・リプレイ〈3〉アザゼル・テンプテーション (ジャイブTRPGシリーズ)
昨日に引き続いてシナリオの作り方を。
昨日はアイデアについてだったので、今回は構成について。


先に言っておくと、これに関しては「これが正解」というものはありません。ただ、「自分にとってはこのやり方がやりやすい」という方法論があるだけです。
たとえば、ゲヘナのリプレイ(三巻)で友野詳は「キャラクターたちが事件に関心(モチベーション)を持つ導入を考えてからシナリオを組む」と書いています。
しかし、私にはこのやり方でシナリオを書くことは出来ません。


では私はどんな手順でシナリオを書くかというと、
1、シナリオで使いたいシチュエーション、セリフを考える。
2、そのシチュエーション、セリフが発生する状況を考える。
3、その状況に辿り着くための道筋を考える。
簡単に言うと「クライマックスから逆算してシナリオを作る」という形式をとっています。


このやり方の利点は以下の通り。
・クライマックスにやりたいことが明確なのでGM側の演出がしやすい。
・各PCに与えられたルートがクライマックスに直結しているので目的からズレにくい。
・「やりたい演出」の為のシナリオなので、隠していた方が面白い、わかっていないと無理、という情報の取捨選択がしやすい。
まあ、他にも色々ありますが、やはり一番のポイントは「GMが演出のイメージをしやすい」というところでしょうか。
DXを中心としたいわゆるFEARゲーと呼ばれるゲームとこの特徴はとても相性がいいと思います。
友野氏のような、PC(PL)の行動に重点を置くやり方を私がやると、視点は「如何に演出をするか」よりも「如何に動かしやすくするか」になりがちで、システマチックなプレイになります。
もちろん、どちらに重点をおいても水準以上の運用、演出が出来るのであればどちらでもかまわないのですが、私はそこまでのレベルには達していないので演出に力を入れる方向に特化してます。


逆に欠点もあります。
・クライマックス辿り着くことが目的になっているので強引なこじつけ、帳尻あわせが起こる。
・クライマックスが重要である所為で、物語として分岐が起こりにくく一本道になりがちである。
いわゆる「吟遊詩人」という困ったちゃんになりがちということですね。
私の場合はミドル、リサーチフェイズを「固定イベントは挟むけどそれ以外は自発的に動くべし」という形にしているのでそんなに大きな閉塞感はない…といいなあ、って感じですが。