好みの戦闘バランスその2

昨日に続いて戦闘バランスのお話です。
昨日は「ちょっと気に入らない部分」の言及になっていましたが、今日は逆にいいと思う部分…つまり、ダブルクロスの賛美です。
明らかに好みの問題であり、偏った意見になっていると言うことは事前に申し上げておきます(いつものことですが)。

と、本論に入る前に、一つだけ注釈を。
昨日の日記ではアルシャードトーキョーN◎VAを同列に扱った項目で解説しているにも関わらず、詳しくはアルシャードにしか触れていないのはN◎VAはプレイしたことがなく、リプレイを読んだ印象から加護≒神業かと考えた為です。
いや、だからなんだと言うわけではないんですが。

さて、ダブルクロスについてです。
今回は、先日あげた三つの特徴

・PCのHP<攻撃力であり、PCが本気で攻撃するとPCのHPは一撃で消し飛ぶ。
・PCの死亡に対してなんらかのブレイクスルーが用意してあり、基本的にセッション中にPCが死亡することを推奨していない。
・使用回数などの制限がある、戦闘バランスを崩すようなリソースが存在する。

を、ダブルクロスではどう扱っているか、という視点で話していこうと思います。

1、PCのHP<攻撃力であり、PCが本気で攻撃するとPCのHPは一撃で消し飛ぶ。
ダブルクロスにおいてはHPは飾り、ボスの攻撃など当たったら確実にHPの最大値を上回る代わりに、特定の条件で生き返る方法が多数設定されています。
(HPの残量が大切になるキャラメイクもできるのでHPの存在自体が無駄と言うわけではない)
なので、ダブルクロスではHPが0以下になる=死亡、キャラロストという致命的なものではなく、リソースの低下を招くだけです。
これならば何点のダメージを食らってもHP0になるのは一度で、攻撃力が過剰気味になりがちなコンボシステムとの相性もいいし、無限上方ロールによるPCの事故死も抑止できます。

2、PCの死亡に対してなんらかのブレイクスルーが用意してあり、基本的にセッション中にPCが死亡することを推奨していない。
ダブルクロスには死亡(正確には昏倒)からの回復方法が大きく分けで三つあります。
リザレクト、タイタスの昇華、そして120%エフェクトです。
PCはリザレクトとタイタスで、ボスは120%エフェクトで復活する事が出来ます。
PCは残りリソースを考えながら戦う事ができ、その上でダイス目次第では計算が狂うこともある。
ボスも複数の防御、生き返りエフェクトを持っている(可能性がある)ので、どこで誰のリソースで耐えるか、という駆け引きが行われます。
ここに、先日こきおろしたアルシャードとの違いがあり、ボスの持っているリソースが「シンドロームによって最大数が推測できる」というのがバランスを語る上で大きな要因です。
駆け引きを重要視した場合、推測は出来るけれど確定は出来ない、というバランスが一番面白いと思います。

3、使用回数などの制限がある、戦闘バランスを崩すようなリソースが存在する。
ダブルクロスにおいてはシナリオ一回制限のエフェクトとタイタスがこれに当たるでしょう。
ここで特に注目したいのはタイタスです。
タイタスは攻撃力アップ、死亡からの再生、そして自律判定と三つの要素に等しく絡んできます。
最大数が限られている上で、三つの要素のうちどれかにしか使えない。誰のリソースに余裕があって、誰のリソースはもうギリギリだから誰のリソースに頼るか、という試行錯誤と、攻撃にリソースを消耗する場合、ボスの防御能力に関するリソースはどの程度削れるのか、と言う駆け引きまで必要とします。

・情報の開示と隠匿のバランス
・パワーソースの消耗に関するリスクとリターン
・配置されたリソースの個性の合致

これらが、私がダブルクロスの戦闘バランスを好む理由です。