シーン制が活きる時

本日、コンベンションでメタルヘッドの卓に参加してきました。
マスター様及び他の参加者様、お疲れ様でした。

最終的に時間内に事件をまとめきることができず、黒幕も逃げ去るし主人公に残された謎も謎のままだし…と、ちょっとションボリな結果になってしまいました。
と、何が悪かったのかな…と一人反省会をしていたところ、ちょっと思い至ったことがあったのでちょっと書き綴ってみます。

TRPGをプレイしていて「時間オーバー」はよくある、ただし重大な失態の一つです。
カジュアルプレイならまだしも、コンベンションでやるとGMにもPLにも不満が残ります。
この「時間オーバー」が起こる要因は大きく分けて二つ。

GMのハンドリングミス。
・PLの過剰な脱線。

大きく分けすぎだろうという気もしますが、問題はどうしてそれが起こるのか、という部分です。

まず、GMについてです。
GMは大抵、何時までにどこら辺までシナリオが進んでいれば大丈夫、という計算を大まかにしているものだと思います。
予定していた時間に予定したポイントまでPLたちが辿りついていない時、考えられる理由は「脱線のしすぎ」と「進行の行き詰まり」の二つです。
脱線は後ほどPLの項で触れるとして、行き詰まりは「得られるべき情報が得られていない」「PLに情報が正確に伝わっていない」ために次のステップに進めていない、という状況です。
こういった状況が起こる原因として、GMは「過剰に情報を出し惜しみしていないか」を考える必要があります。
判定でシナリオに書いてある目標値に届かなかったから、といって必要な情報が得られずに立ち往生するのはGMとしても歓迎すべきことではないはずです。
情報が正確に伝わらないのも、必要な情報が歯抜けになってしまっていることが原因の場合が多いのではないでしょうか。

次に、PLについて。内容は上にもある通り「過剰な脱線」についてです。
キャラクターを掘り下げたり、シナリオに深みを与えるためにちょっとした脱線は肉付けとして重要なものです。
しかし、GMの進行を邪魔するほど脱線ばかりしていてはそれこそ話が進みません。
ただ、「情報を勘違いして方向を間違えたまま突き進む」という脱線の仕方もあります。
これは一概にPLの所為だけとも言えず、GMのハンドリングミスも要因の多くを占めます。
上記の「情報が正確に伝わっていない」事がさらに悪い状況を呼び込んだ形ですね。

で、表題のシーン制の話です。
実は、上に挙げたような問題ってシーン制を「上手く」使えば解消できるんじゃないか?と、思い至ったのです。

シーンの構成成分は「時系列・登場人物・目的」の三つです。
場所も重要かと思いますが、どこでなければいけないという指定があるなら目的に、どこでもいいのならば構成成分に入らなくなるので除外します。
この、「誰が出て何をするシーンか」を明確に設定しておくことが大切なのではないかと。

まず、「必要な情報が足りなくて行き詰る」ということ。
「この情報が得られればクリアのシーン」というシーン構成にすることで、その情報が得られなければシーンが終わらないのだから情報を取り逃すことはありません。
「ここでその情報が得られないと困る」のはGMも同じなのだから、失敗した時にどのタイミングでボーナスを入れるか、という指標にもなります。
PLに正確に伝わらないという問題も、情報が足りなくて勘違いをしているわけではない以上、GMの方から「それは勘違いでさっきの情報はこういう意味だ」と方向修正を求めるのも容易になります。(「方向修正したいけど、この情報と結びつけるには情報が足りないはずだしな」というのも、上手く方向修正がかけられない原因だと思います)

そして、「過剰に脱線してしまう」こと。
「このシーンではこの目標を達成したらシーンが切れるよ」と構成することで、GM自身が「このシーンはもう切ってもいいんだ」ということを意識できます。
その上で、時間の許す限りでの脱線を認めることで自由な演出が出来ます。

上手いGMなら意識するまでもなくやっていることだと思うのですが、今回はあえてそれが出来ない人間として「シーン制」の有効性を再確認しました。

今度からシナリオを作る時は「シーンの構成」を意識して作ってみようと思います。