初心者対応その3

さて、まだ続いております初心者対応。
今回は、ありがちな初心者の種類についてちょこっと。

基本的にTRPGは、誰かに誘われる、教えられる事がなければ始める機会はほぼないと言っていいでしょう。
そして、教える側から見ると、勧誘の仕方は多分、二種類に分かれると思います。
それは「試しにやってみてもらう・やってるところを見てもらう」と、「リプレイを読ませる」です。

それを踏まえて「卓に参加する初心者」を分別すると、経験上、以下に分類されます。
・どうしていいかわからずに観客になる。
・リプレイの影響でとりあえず騒ぐ。
・システムがわからない分演技で乗り切る。
自分が遭遇していない未知の初心者もいるかもしれませんが、自分の経験からいくとこの三つです。
それぞれのタイプについての詳しい傾向と対策を練っていきましょう。

・どうしていいかわからずに観客になる。
一昨日の日記(本編 )で解説した初心者に一番近いタイプです。
何をしていいかわからないから、とりあえず一歩引いて見ていたほうが安全だと考え、観客と化してしまいます。
このタイプに関しては、他の経験者が引っ張りあげるように都度話しかけ、意見を聞き、ゆっくりと舞台に引き上げるのが好ましいでしょう。

・リプレイの影響でとりあえず騒ぐ。
劣化天プレイと言われたりする、ある意味で一番扱いにくいタイプです。
田中天氏の出演するリプレイは読み物としての完成度は高く、その面白さや格好よさはTRPGに触れたことのない人たちにも受け入れられやすいようです。
おかげで、ダブルクロスを初めとするいくつかのリプレイを読ませると、私の周りの友人は皆、TRPGに興味を持ってくれました。
しかし、それが落とし穴…確かに、天氏のロールプレイは見ていて面白いし、目立ちます。
その所為で、あの「田中天的暴走プレイ」を真似しようとする輩が後を絶たないのです。
ええ、ちなみに、私の初GM体験はビーストバインドNTのサンプルシナリオ。
一人を除いて全員がTRPG初体験だったのですが…PC1、タロットのメジャーアルカナに対応した22種類の姿に変形する宇宙戦艦。PC2、「かりそめの姿が」猫。PC3、「かりそめの姿が」額に「神」と書かれた不定形生物…PC4、5はサンプルキャラそのままで性別だけ逆転したものだったので普通だったのですが。
中盤の戦闘で「戦ってる人を横目に見てほくそえみながら通り過ぎます。熱海まで」とか、そんなこと天さんでもやらないから!!という宣言が次々と飛び交います。
…対処法、ですか。
対処法としては、とりあえず宣言は受け取っておいて「ああ面白かった。で、そろそろ真面目に行こうか」と流しつつ、プレイに緩急をつけることを覚えさせることでしょうか。
正直、ゲーム外でプレイに関する注意を促していく以外で御しきれたことがありません。

・システムがわからない分演技で乗り切る。
これが一番楽な、TRPGに馴染みやすいタイプですね。
もともと演劇部にいたりして演技に抵抗がなかったりするとこういうタイプになりやすいようです。
最近発売されたローズトゥロードリプレイ「ソングシーカー」も、俳優や声優を目指す初心者4人を迎えたプレイとなっていますが、「役柄になりきって演技する」という点に関しては素晴らしい出来だと思います。
(なりきりが過ぎてゲーム的にありえないことをしてたりするけど)
このタイプは逆に、演技には口を挟まずにのびのびとプレイをしてもらい、システム的ルールはプレイしながらその都度説明していく、という程度で十分です。
「ミドルでは他のPCのシーンにも登場できるよ」と説明した途端に、いきなり他人のシーンの背景に登場して「うわーっ!!な、なんだこの…焼きそばパン!焼きそばがはみ出してる!?」とか叫ばれた時は笑いすぎて突っ伏しました。
このタイプはどうも、「選択肢を与えたら選んでできるようになる」というより、「出来ると言われたことはとりあえず全部やってみたくなる」という傾向があるように思えます。
最後のはただの推測ですが。

とまあ、TRPGをプレイするたびにトラウマを増やしているような気もしますが、それはそれとして置いておいて、ちゃんと初心者の傾向を見極めたうえで、適切な対処をするのがよいと思いますよ、というお話です。
他にも「自分はこんな初心者に出会って、こういう対処をしたら楽しんでもらえた」というお話があったら、是非ともお聞かせください。
ひとまず、初心者対応の話については一度終わります。