ギャグの温度差

今日はコンベンションに行って来ました。
ダブルクロス2卓にN◎VAがRとDが1卓ずつとか、非常に偏った卓状況で今のところ特別興味を持ってるシステムもなかったので慣れたダブルクロスを希望、そのまま参加。
今日は死ぬほど笑い転げるギャグセッションでした。

と、プレイ後の反省会で話題に出たんですが、「全員が悪ノリしすぎたセッションだった。幸い皆に楽しんでもらえたけど、一人でも空気が合わずに気まずい思いをしてたら大失敗になるところだった」というお話だったんですね。
「周りがそのノリを楽しんでるのに一人だけやめて欲しいとも言いにくいし」ということでご心配いただいたらしいです。いえ、PCの視点では困ることもありましたが、PLは十分に楽しんでおりましたよ。

で、確かに悪ノリした波長が噛み合うと死ぬほど笑えるセッションになります。
しかし、そういうノリが合わないと言う人がいることも事実です。
悪ノリになりそうな状況をいくつかのパターンに分け、その傾向と対策を考えてみたいと思います。

・全員が揃っておかしいPCを演じる場合。
この場合、自分もその一人になっているはずなので、音楽性の違いならぬギャグ性の違い以外では困ることもないはずです。
全員が一丸となっておかしな方向に進んでいくので、妙な連帯感と達成感に包まれ、首を傾げながらもよいセッションだったと言える結果になるでしょう。
……シナリオを用意したGMが泣くことになるかもしれませんが。大抵の場合はGMも面白くなってきちゃってるので大丈夫でしょう、多分。

・周りのおかしな人たちに対し、一人がツッコミになる場合。
おかしな人たちを相手に一人でひたすらツッコミを入れ続けるパターンです。
ツッコミ一人が全員に対してリアクションを続けることになるので負担がかなり大きいです。
やりすぎると疲れて機嫌を損ねる可能性もあります。
ふざけた人が一人ボケツッコミを交えるなどして、ツッコミ役の負担を軽減すると共に、ここぞという時にツッコんでもらえばネタもピリリと引き締まります。
多分ツッコミの人も面白いからこそツッコむのだと思うのですが、なまじツッコミが上手いと「ここまでやられたら疲れる」というラインが見えにくくなります。
バランスをとると言う点では一番難しいのがこのパターンかもしれません。

・周りのおかしな人たちが、一人の一般人を弄り倒す場合。
これの場合は上と違い、本当の意味で「全員が楽しむ」のが難しいパターンです。
それは、一歩間違えると全員が揃って一人を虐めてるのと大差ない状況だからです。
自分のPCの不利を楽しむ、コミュニケーション手段の一つとして弄られ技能をマスターしているなど、ある程度の技能を持ったPLでないとこのメンバーの一般人に落ち着くのは難しいかも知れません。
ギャグ漫画にも多く見られる光景ですが、大抵は弄られ役の人が主人公であり、終始怒っていたり呆れていたりという描写が続いていることが多いことからも、「基本的にやられれば不快感を催すものだ」というのはわかるはずです。
今日のシナリオではこのタイプだったと思います。
私自身は負けプレイ、自虐プレイが十二分に許容範囲なのでしっかり楽しんでました。
(序盤でまだノリがつかめてない時は「ちょっとしつこいかも」とは思いましたが)

・ボケとツッコミがほぼ半数の場合。
この場合は大抵、ボケとツッコミが互いに相方を見つけてコンビが幾つか出来上がるだけかな、と思います。
気の合う相方が見つかれば会話も弾みますし、相方との間でやりあってる分には他のPCに危害が及ぶことは稀です。
基本はそのまま放置で問題ないでしょう。

・真面目なPTの中で一人がふざけてる場合。
多くのCRPGで、大人数の中からPTを入れ替えするタイプのゲームでは一人や二人はおふざけなキャラクターが混ざっていると言うのは経験があるかと思います。
つまり、物語を描く場合には、物語の一端にそういうおふざけ要員がエッセンスとして重要な位置を占めるのです。
確かに、シリアス一辺倒では読んでいるだけで疲れてしまうシナリオも、思わず笑ってしまうようなシーンが間に挟まれば、読んでいる時の気が楽になります。
ただ、そういう立ち位置を徹底的に嫌う人もいます。
まあ、自分もそうなんですが、私はCRPGでメンバーに入れ替えの自由がある場合、そういったおふざけなキャラクターはまず使いません。
変なジョークなんか挟まなくていいからシリアスなシナリオなら最後までシリアスで通そうよ、と思ってしまいます。
それでなくとも、一人のおふざけが悪ノリしすぎて周りの全員に不快感を与えることがあります。
この「おふざけキャラ」を演じたい場合、自分は「エッセンスだ」という自覚を持ち、でしゃばり過ぎない奥ゆかしさを持つことが大切です。

書いて見ましたが、基本は全て「多数派が少数派を気遣い、少数派は多数派に合わせる」と、お互いに気をつけさえすれば問題はない、と思いますね。
少数派だからと我慢し続けたり、多数派を無理矢理折らせたりしたらどちらに合わせるにせよ禍根が残ります。
ちゃんと話し合って、妥協点を模索すれば面白いものになるでしょう。

蛇足ですが、個人的には「最初からギャグに走る気満々のシナリオでやっぱりギャグ」よりも「シリアスに行くつもりだったのにおかしなきっかけから思わぬギャグシナリオに」の方が好きです。