「役割」と「役柄」

昨日の話しを踏まえて、それでは次に…と行く前に、いい感じに2chからツッコミが入ったのでそれに関して論じてみようかと思います。

「FEARのゲームが役柄重視で役割を意識させないって、何の根拠があって言ってるのか。」

これに関しての話なんですが、皮肉にもというか、同じスレの中で答えが出てるんですよね。

「FEARのゲームは、役割分担を明確化してやりやすくしてるから 役柄に労力をさけるんじゃないか。」

誤解しないで頂きたいのは、FEARのゲームは「役割を模索しなくていい」であって、「役割が存在しない」わけではないということ。
つまり、分担が明確であるが故に、それ以上に模索する必要性が「薄い」ということです。
「薄い」というのは、あえて模索をする余地はある(けどしない人がいる)という意味で。
まあ、これだけではなんなので、そう論ずる根拠を示していきましょう。

まず、「役割」と「役柄」について、はっきりと定義しましょう。
「役割」を「データ的に処理する部分。能力値や技能など」。
「役柄」を「シナリオ的に処理する部分。性格や背景設定など」。
と、します。

この「役割」に関して論ずるにあたり、FEARのゲームは二つに分かれます。
アリアンロッドトーキョーN◎VA−Dなど、役割分担が明確であるが故にそれ以上の模索を必要としないもの。
ダブルクロスエンゼルギアのように、役割ごとの差異が少ないものです。

特にトーキョーN◎VAなどでは、役割の分担は確かに、スタイルごとに細かく分かれています。
しかし、実際にプレイをする際には、そのセッションにおいて必要な役割はハンドアウト(推奨スタイル)として提示されており、さらにはその役割ごとの一番のリソースである「神業」はおおよその場合、シナリオで使いどころが示唆されています。
それ故に、PC間での役割をPL同士で話し合う必要はなく、また、どのようにリソースを処理していけばよいのかもほぼテンプレート通りです。
テンプレートというのは、GMが提示する項目に対してコストを払っていけば自動的に話が進んでいって最後までたどり着ける、というスタイルのことを言っています。
アリアンロッドでも、「罠感知はシーフにしか出来ない」とか、明確に出来ることが限られているからテンプレートに沿っていく、という考えは変わりません。(ランダム生成ダンジョンなんかでは微妙に勝手が違うかもしれませんが)

ダブルクロスにおいては、戦闘キャラなら戦闘キャラで、全PCが同じ組み合わせの同じ能力でも基本的に困りません。全員が支援だとさすがに困るかもしれませんが、それくらいPCの「役割」には差がありません。
これは、能力値やエフェクトの違いも結局はダイスの数とクリティカル値、それに補正値に還元されるためです。(アリアンロッドなどでは、物理と魔法のダメージ属性の差などで役割分担が為されている部分)
情報収集などの戦闘とは関係のない場面においても、サンプルシナリオなんかを見る限り、戦闘特化でも十分に達成できる目標値に抑えられています。
エンゼルギアにおいては、戦闘になったらとりあえずロゴスをつぎ込んで一撃必殺をかければ、支援キャラですら攻撃で福音を起こせます。100点200点という達成値の前に、クラスごとの10程度の能力値は瑣末です。

再度言いますが、勘違いしないで欲しいのは、「そういうプレイも出来る」であって、「それしか出来ない」わけじゃないと言うことです。
当然、しっかりとルールを読み込んで、上手く役割分担をしないと分岐を見逃してしまうようなシナリオであれば上手いとも思います。
しかし、どんなプレイヤーが集まるかわからないコンベンションなどでは、ある程度は出来ない人を基準に対策を取っていく(つまり、結局は事故率の低い「テンプレート通り」の運用をする)ことになる場合が多いのではないでしょうか?
まあ、それは運用する人の好き好きですが。

しかし、ツッコミどころはむしろ「役柄だけのプレイ」から「末期症状のプレイヤー」まで話が飛躍してる部分とかだと思うんですが…我ながら。