動因と誘因

モチベーションには「内的な動因」と「外的な誘因」があるらしい、というお話です。
いや、前回の日記のトップに書いておいて内容ではほとんど触れなかったので、今日はそこにつっこんでみようかと。

言葉の意味は、実は辞書で引くと余計にこんがらがるんですが、要するに心境の変化などで自発的に動こうとする場合と、外部から刺激されることによってそちらに誘導される場合、そしてその複合系、といったところでしょうか。

基本的に、TRPGでシナリオ側から与えることができるのは「外的な誘因」の方です。
冒険者の店で依頼を受ける、目の前に困ってる人がいて助けを請われる、事件に巻き込まれる、などなど…数え上げればキリがありません。

逆に、「内的な動因」をシナリオ側から押し付けることは嫌われる傾向にあります。
目の前に困ってる人がいたからって、先立つものもなく助ける必要はあるのかとか、ヒロイン役のNPCに必ずしも恋愛感情を持っていないといけないのかとか、本来はPCの設定次第でいくらでも変化する、自由であるべき部分だから、というのがおおよその原因だと思うのですが。
(極端な例では、プレイ中に「君はそれを見て〜だと思った」などとGMに言い切られる、なんてこともあったらしいです。それは反発されて然るべきだと思います)

しかし、自分のプレイや、今までのプレイ経験を思い返してみると…案外、この、「内的な動因」に頼らなければ成立していないシナリオって多いのでは?と。

たとえば、こんなハンドアウトがあったとしましょう。
「キミの幼馴染が行方不明になった」
ハンドアウトにかかれていることは、事件が起こったという事実だけ。これは「外的な誘因」と判断できます。
しかし、このハンドアウトは明らかに「幼馴染を心配して探すこと」を期待していますよね?
幼馴染を心配するかどうか、それは「内的な動因」に他なりません。
「行方不明になった幼馴染のお母さんに、幼馴染を探すように頼まれた」まで書いてあったら「外的な誘因」になるかもしれませんが…と、ここまで書いてみるとさらに気付くことが。

「依頼されたからって、それに従うかどうかって内的な動因じゃん」

…暗黙の了解として助けられてる部分が多いとは言っても、結局、動因と誘因って表裏一体なんですね。
暗黙の了解がどこまで通じるのか…ハンドアウトを配ったら、そのハンドアウトでどんなキャラをやりたいのか、それが自分の求める方向性と合致しているのかを確認する、というのが一番賢いやり方ですね。
もともとのハンドアウトすらも、文面によっては押し付けに思われる可能性もありますし。