ゲームの楽しみ方

ボードゲームには「キングメーカー」という用語があります。
簡単に言えば、「自分の有利不利と関係のないところで他人の順位を操作するような行為」です。
トップであがった人にしか得点の入らないゲームで、トップになれそうにないから二着の人の邪魔をするとか。
全員がトップを目指すことを前提にデザインされたゲームでは著しくバランスを崩す上に、トップの人も、二着に追いつかれるかもしれないというスリルがなくなってしまい、ゲーム全体の面白さを薄めてしまうと言うことで大変嫌われる行為です。

ゲームには、暗黙の了解として、良心に頼ることでしか保てない儚いバランスというものがあります。
トランプのゲームで積み込みやすり替えのイカサマ、囲碁では整地の誤魔化し、コンピュータゲームでも改造ツールなどのチート行為が横行しています。

「ゲームは、プレイヤーの良心でその面白さが崩壊する」

これは、間違いのないことだと言い切れます。
特に、複数人でプレイ時間を共有する遊びでは、たった一人心無いプレイヤーが混ざっていただけで、その場に居合わせた全員が時間を無駄にすることになります。

TRPGだって同じことです。
はっきり言って今更なことですし、どこかしこで言われていることです。
しかし、あえて言いたい。

「一緒に楽しもうとする姿勢のない人とは一緒に遊べない」

自分さえ楽しめればいいなんて考えは、イカサマ師やチーターと変わりません。
自分が楽しむために他の人を踏み台にするなんてもってのほかです。

今まで、結構「こんなことをされると困る」みたいな事は書いてきたと思いますけど、
「どうしたら皆を困らせず、皆で楽しめるか」
一緒に楽しむために、たったこれだけのことを考えれば、それだけで起こり得ない問題ばかりじゃないかと。

なまじ経験値が高い所為で自分の楽しみに固執する人より、未熟でも下手なりにどうしたら楽しめるかを模索する人の方が、一緒に遊んでて何倍も楽しいです。

一緒に卓を囲むんだったら、自分一人のことなんて考えずに、ほんの数時間といえども運命共同体としてどうやって楽しもうか、それを考えましょうよ。