ダブルクロスサプリメント―アウトランド―

身の回りで評価を気にしてる人が多いのでかるーく書いてみようかと。
秋葉原YSに行ったら明日入荷になってて、2chで神保町ならあるという証言があったので行ってみたら、延々立ち読みされてるのが最後の一冊で、読み終わるのを待つのもアレだし読み終わったのを買っても汚れてるしでイライラしながら店員のお姉ちゃんを問屋まで走らせた悪い客です。
本当にご迷惑をおかけしました(平謝り)

まあ、それはそれとして、基本的には今回のサプリメントは新しいステージと既存ステージの追加パーソナリティーだけです。
アルターラインではバロールがあったし、何か追加されてないかなーと思ったのに残念。
まあ、各ステージのデータは割りと充実してるし及第点…とは言っても、力が入ってるステージと手抜きっぽいステージの落差が激しいなぁって印象が強いのが残念。
ただ、各ステージに5〜6行のステージルールという遊び方のポイントがまとめられているのが、構成としてはよく出来てるなーって感じです。

では、各ステージに関する簡単な説明と超個人的な評価を書き連ねてみます。
これを読んで燃えた、あるいは萌えた人は明日、アウトランドを買いに走りましょう(笑)。

1、陽炎の戦場
架空の小国の内乱から発展した独立戦争。劣勢かと思われた公国側はオーヴァードによる特殊部隊を投入することで戦況を膠着状態にまで巻き返す。
しかし、待っていたのは利権を貪ろうとする多国籍企業が裏で糸を引く、泥沼の持久戦だった……
まあ、そんな感じでミリタリーアクションを行うことが出来るステージです。
私にとっては今回のサプリの本命。
戦場にありながらその存在を秘匿、否定される特殊部隊の一員となって自国の為に戦う……私のお気に入りの漫画、パンプキンシザーズの“インヴィジヴル・ナイン”を再現できる!!というのがメイン目的。
エリア88とか色々言われてますが、ぶっちゃけ知らないので。
対人地雷やトーチカがエネミーとして用意されてるのもいい感じ。

2、ウィアードエイジ
著:田中天のリプレイ“東邦の快男児”でおなじみ、第二次世界大戦前夜を舞台に行われる活劇モノ。
“敵は主にナチス”と断言されている辺りがこのステージのはっちゃけっぷりを加速してますが、しかし、このステージの一番の特色は「あらゆるオカルトが認められていた時代」であること。
レネゲイドの力が科学の結晶であったり、魔術だったり、魔族の血脈だったり……この“なんでもあり感”、B級映画っぽさたまりません。
ジョジョとかヘルシングに出てくる嘘ナチが好きだったら迷わずオススメする逸品です。
このステージに関する詳しい事が知りたければ東邦の快男児を読みましょう。むしろ読め。

3、The Two Faces of Tommorow
今からそう遠くない未来…人類はその生活範囲を宇宙にまで広げていた。
しかし、襲い来る謎の宇宙生物“イーター”……人類を脅かす敵に対抗できるのはオーヴァードだけだった!!
とまぁ、そんな感じなのですが…個人的には、これはあんまり評価高くないです。
まず、敵が人類とコミュニケーションが不可能であると定義されてしまっている点。
ラスボス戦で敵との会話が成り立たないとか、ちょっと興ざめですよね…意味不明な不定形生物相手にロイスを取るのもあんまり頻繁に使える手段ではないし、個体への執着ではなくイーターという種族全体に対する感情しか持てないんじゃないかな?
もう一つは、オーヴァードや外的の存在が一般人に秘匿されているなど、体制としては現代とあまり変わっていない点。
ワークスにアンドロイドが入ってたりするのは美味しいけれど、いまいちだなーって感じです。
どうせなら、敵はいつの間にか市民と入れ替わっている!みたいな、古きよきSFホラー展開も出来るようにしてくれれば良かったのに。
パーソナリティーに某リプレイの某氏が載ってるのはかなり笑いましたが。

4、アキハバラ
まあ、アキハバラエンタ祭りのイベントで発売されたLiveBoxからの再録なので、ネタと冗談の塊です。
喫茶ゆにばーさるに行くとリプレイ登場の豪華メンバーに会えます。以上。

5、マスクドヒーローズ
オーヴァードの存在は明らかにはなっていない……しかし、超人的な力を操るヒーローのことは誰もが知っている。
と、魔街とは別の意味で“力を隠す必要のない世界”です。この世界にはワーディングはないらしい。
ワーディングの変わりにヒーローコスチュームを取得でき、マイナーアクションでコスチュームを装備(変身)出来るというのが、らしくていい。
変身する時はもちろん、決め台詞を用意してもらいたいところです…などというとプレイヤーを選びそうですが。
仮面ライダーから戦隊モノ、宇宙刑事まで幅広く選択可能。これに燃えなかったら男の子じゃない!!

6、エンドライン
長瀬明のクーデターが成功し、FHが世界の覇権を握った世界。
オーヴァードは人類の未来を示す存在であり、支配階級。非オーヴァードは支配される立場となった。
FHによる選民に怯えながら暮らす人々…微かな抵抗運動を行う人々の力となるため、UGNの意思を継いだ者たちは立ち上がる!!
………パラレルとしてこれ以上ないほど王道で、燃えます。
ただ、びみょーに、UGN側として活動する場合「どのような結果を与えたら満足の得られるハッピーエンドになるか」というのがなかなか見えにくく、扱いづらいかもしれません。
「こんなに頑張って世界を変えようとしても、まだまだ何も変わらない…」そんなエンディングは、微妙に達成感が得にくいんじゃないですかねぇ。
ともあれ、普段のダブルクロスに飽きてきた人にはいいアクセントだと思います。

7、カオスガーデン
アニマル帝国の動物となって、人間達の侵略に抗え!なステージ。
動物しか存在しない絶海の孤島で、襲い来る人間達から自分たちの住処を守ったり、種族間の争いをおさめたりするのが目的になるようです。
んー……一発ネタにはいいけど、続けて遊ぶ気が起きません。
むしろ、犬とか猫というワークスが完全に定義されたので、そんなワークスを持ったPCが普通の現代ステージに進出してくる方が面白そう。


追加されたステージは以上です。
個人的には陽炎の戦場、ウィアードエイジ、マスクドヒーローズ、エンドラインの四つはやってみたいところ。
7個中4つが興味を持てる内容というのは十分に高評価かと。
購入を検討されている人たちの後押しが出来たなら幸い。
今回追加された通常ステージのパーソナリティーに妙にツボなキャラがいたりしたのは、まあ、別の話。