公平に扱う

最近、ふと思った事があります。
GMは全てのプレイヤーを公平に扱い、公平な裁定を行う必要がある」
このルール…というかマナーって感じですが、この事はどのシステムを使用するかを問わずに適用されるべきものだと思うのですが…
普段、何気なくプレイしている時は特別気に留めるようなことはないんですが、深く考えてみるととても難しい問題に直面します。

「公平」ってなんだろう?

根本的なルールの問題で「こっちのPCはOKだけどこっちのPCははダメね」みたいなエコヒイキが不公平なのは明白ですが、ここで気になるのは「シナリオへの貢献度とロールプレイについて」です。

たとえば、一人のPCにずっと焦点が当たっていて、他のPCが脇役としてついてまわるだけのシナリオ…これは間違いなく不公平な状態だと思います。
シナリオ内での重要度には差があっても、見せ場を獲得するチャンスは等しく公平にあるべきだというのは、感覚的にはわかるのですが。
反省会などで、「今回は活躍できなかった」と言う不満が漏れることが時たまあります。
それがGMの誘導ミスであるか、PLの判断ミスであるかは一概には言えませんが、やはりTRPGをするからにはそれなりに活躍をして、盛り上がったままエンディングまで走り抜けたいというものでしょう。

しかし…たとえば、初心者と上級者が同じ卓に混ざっている場合。
サポート不足で初心者が楽しめないというのは、上級者しか楽しむことの出来ない不公平な状況と言えるでしょう。
多少周りが持ち上げてでも、初心者の方も活躍できた!と満足が残るセッションであるのが公平なマスタリングと言えるかもしれません。
しかしですね、こう、上級者の人たちが工夫を凝らして、持てるリソースを最大限活用してプレイをしているのに、持ち上げられている初心者が活躍している…というのは、不公平ではないでしょうか?

もちろん、シナリオで重要な立ち位置に立って活躍をするだけがTRPGの楽しみではないですし、その他の部分で楽しんで頂けたならそこまで気にすることもない…と思うのですが。
先日も書いたように、私は「努力すればもっと楽しめるようになる」というのが正しいゲームの形だと思っています。
であれば、「経験を積んで努力した分、活躍の場を獲得できる機会には恵まれる」というのも、「公平」の一つの形ではないでしょうか?

「公平」には、「下のレベルに合わせてでも全員が等しくチャンスを得て等しく活躍する」共産主義的なケースと、「頑張れば頑張っただけ活躍するチャンスを得ることが出来る」資本主義的なケースの二種類があるように思えます。
私自身は、どちらかと言うと前者の裁定方法を採用することが多いのですが…皆がお膳立てしてくれているのに初心者が気付かずにグダグダになることもしばしば。
逆に後者の裁定方法であれば、上級者がしっかりと舵取りをしてくれるのでシナリオ自体は滞りなく進むかもしれませんが、初心者が参加者ではなく傍観者に終始してしまう可能性があります。

その時に集まったメンバー次第だと言うのはわかるんですが、この二つのケースは時として真っ向から対立してしまうことがあります。
そういう時、どちらを優先すべきなのでしょうか。